歯列矯正を早く終わらせたい人必見!
矯正装置の選び方と注意点
歯列矯正治療を思いとどまってしまう、ひとつの理由に「治療期間の長さ」があげられるのではないでしょうか。また、現在歯列矯正治療をされている方の中には「早く終わらせたい!」とやきもきされている方も多いかと思います。今回は、歯列矯正の期間の長さに注目し、少しでも早く終わらせるためにできることはないか調べてみました。歯列矯正中の方や、検討中の方はぜひご覧ください。
歯列矯正を早く終わらせたい!
一般的な期間とは?
大人や子どもに限らず、歯並びを治すためには長い時間をかける必要があります。一刻も早く治したいと思っても、そう簡単に歯を動かすことはできません。歯並びの治療になぜ時間がかかるのか、これから説明していきましょう。
そもそもなぜ歯が動くのに時間がかかるのか
歯列矯正といえば、あの歯につける装置が思い浮かびます。歯列矯正を早く終わらせたい!と感じるのも、あの装置のわずらわしさも関係していそうです。装置は歯の表につけるものもありますから、見た目も気になりますし、見た目に見えない歯の裏側につけるタイプのものでも、歯磨きや食事の際など、何かと不便ですよね。
とはいえ、歯列矯正にとって装置は不可欠なもの。歯列矯正治療は、骨の代謝と装置の力を利用して行われます。わたしのたちの体をつくっている細胞は、すべて新陳代謝を繰り返しており、少しずつ変化しているもの。骨も同じで毎日少しずつ細胞が入れ替わっているのです。この代謝があるからこそ、骨の形を変えることが可能になります。
歯列矯正は、装置によって歯に少しずつ圧力を加え、歯を支える骨の形を変えていく治療法です。歯を直接動かしているのではなく、歯を支える骨を変形させ、結果として歯が動いています。ですから、強い力を加えても、細胞の生まれ変わる早さはかわらないため、急に歯が動くことはありません。
歯が動くスピードは1か月に1ミリ程度だといわれています。装置の力を強めても、その早さに特別影響はありません。むしろ、無理に強い力をかけすぎてしまうと、歯の周りの血管を圧迫してしまい、血流が滞ることで代謝が低下してしまいます。また、歯根とよばれる歯の根元や骨自体に損傷を加えてしまい、歯が動きにくくなってしまいます。
歯が動くまでに長い時間を要するのは、少しずつ細胞が入れ替わる代謝を利用しているからなのです。
年齢によってことなる歯列矯正治療期間
もちろん歯並びや噛み合わせの症状によるところも大きいのですが、大人の場合早くても1年半~2年かけて治療を行います。症状がひどい場合は3年以上かかってしまいます。
子どもの場合、大人よりも治療が長期化することがほとんどです。
理由が2つあって、ひとつは乳歯と永久歯の生え変わりがあるから。歯が生え変わる前と、生え変わりが完了した後で時期を分けて治療する場合が多くあります。その場合、生え変わりを待つ期間が発生するので、結果として子どもの歯列矯正は長期化してしまうのです。
もうひとつの理由は、成長期の子どもの歯並びや噛み合わせは変わりやすいことがあげられます。いったん、歯列矯正治療が終了してきれいな歯並びと噛み合わせになっても、子どもの場合、また元の方向に戻ってしまったり、また違うズレが生じてきてしまったりということがよく起こります。
そのため、子どもの歯列矯正は歯とあごの成長が落ち着く15歳程度までは経過観察が必要で、新しいズレが生まれた場合また治療が必要になります。結果的に子どもの歯列矯正は、長期に渡って通院することが多いのです。
歯列矯正を早く終わらせたい場合の矯正方法
歯列矯正は年齢や歯の状態に応じて、歯にあまり負荷をかけすぎないようにゆっくり治すことが重要です。そうした中で、少しでも早く治療期間を短くするにはどんな方法があるのか、以下のように挙げられます。
歯列矯正治療期間を短くする治療法
歯列矯正が年単位の長期に渡ってしまう理由をご説明しましたが、なかには、歯列矯正治療に加えて、歯の動く早さをあげる治療を行うクリニックもでてきました。
例えば、歯列矯正に必要な骨の代謝を活性化させる「スピードオルソ」という装置です。これは、1日20分ほど装着し、歯に振動を与える装置で治療期間を30%程度短縮できるそうです。
また、歯が動く際の摩擦抵抗を少なくする「セルフライゲーションシステム」と呼ばれる種類の矯正装置があります。こちらは矯正装置そのものを、治療効果の高いもので行うという考え方で、効果はスピードオルソと同じくらい。30%ほど矯正治療期間が短くなるといわれています。
矯正装置の種類によって変わる歯列矯正の治療期間
歯列矯正にかかる治療期間は、選択する矯正装置によっても変わるといわれています。治療期間だけでなく、自分の症状やライフスタイルにあったものを選ぶ必要があるので、担当の歯科医師とよく相談して決めましょう。歯列矯正の装置は、大きくわけて、表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正の3つがあるので、それぞれの特徴をご紹介します。
表側矯正は歯の表面にワイヤーとブラケットをつけるタイプで、歯列矯正といえばみなさんが思い浮かべる一般的な装置です。一番目立つタイプの装置ですが、最近は素材やカラーが豊富で、目立ちにくい白や透明のプラスチックのほか、チタンやキュービックジルコニアといった様々な選択肢があります。
以下の2つのタイプの装置に比べて、目立ちやすいというデメリットはありますが、最も治療期間が短く確実に治療効果が出る方法です。先にご紹介した、歯が動く際の摩擦抵抗を少なくする「セルフライゲ―ションシステム」と呼ばれる種類の矯正装置も、こちらの表側矯正タイプになります。
裏側矯正はブラケットとワイヤーを前から見えない、歯の裏側に装着するタイプの矯正装置です。前から見れば、装置をつけていることがほとんど分からないので、接客業や営業職など、人に見られるお仕事の方にもおすすめです。
治療効果としては、表側矯正に比べると少し劣ってしまうので、表側矯正よりも治療期間が長引いてしまうことが考えられます。症状に合わせて、下あごと上あごで装置を使い分けて治療をする人もいます。
3つのなかでは最も目立ちにくく、装着感も自然なのがマウスピース矯正です。とても薄く透明な素材でできたマウスピースを装着する方法で、つけていることがほとんど分かりません。締め付け感や、金属による口の中の違和感もなく、食事や歯磨きのときは外すことができます。ほとんどストレスなく歯列矯正ができるでしょう。
しかし、効果の面でいうと、3つの中で一番劣ってしまうので、治療期間は長くなりがちです。歯列矯正を早く終わらせたい方には向かないかもしれません。
歯列矯正を早く終わらせたいならやってはいけない行為
近年、歯列矯正の期間を短縮するための治療法が生み出されていますが、油断をしていると治療が思っているよりも長引く可能性があります。そうならないためにも、日頃から何に気を付けるべきか、治療を考えている方はぜひ参考にしてください。
矯正治療が長引いてしまう場合
早く終わらせたい歯列矯正ですが、場合によっては治療が長引いてしまうことがあります。
医師の指示通りに器具を装着しなかったケース
マウスピース矯正の場合、必要な装着時間に満たなかった場合
治療終了後、また歯が元の位置に戻ってしまった場合
矯正治療中は装置の影響で、歯磨きがしにくくなるので、虫歯や歯周病のリスクがあがります。しかし、矯正中に虫歯や歯周病になってしまうのと、そちらの治療を優先せざるをえないため、矯正治療をいったん中止するはめに。そうすると矯正治療は長引くばかりです。
矯正治療中の歯磨きについては医師からも指導があるはずなのでしっかり守って、口の中を清潔に保ちましょう。また、器具の装置時間などの時間もしっかり守りましょう。
矯正治療を長引かせないために
他にも、矯正治療を長引かせてしまう行為があるので、歯列矯正を早く終わらせたい人は特に注意しましょう。
口を使う楽器の演奏
マウスピースを使うスポーツ
歯を押すなどの舌の癖
楽器の演奏やスポーツに関しては、使っている装置によっても異なるので、担当の医師によく相談してみてくださいね。硬い物や粘着性のある食べ物は、装置が壊れたり外れてしまったりする原因になるので注意が必要です。
まとめ
歯列矯正を早く終わらせるポイントとしては、矯正装置の選び方と、矯正治療を長引かせないための普段の生活の注意にありました。歯並びや噛み合わせの症状によって、選べる装置や注意する点は変わってくるので、担当の医師の指示や説明をよく聞くことが重要です。
まずは、歯科医師に相談をしてみましょう!
池田歯科クリニックでは、丁寧なカウンセリングで患者様のご希望と症状に合わせた治療を提案しています!