奥歯を抜いたまま放置しても大丈夫?
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奥歯を失っても外からは見えませんし、反対側で噛める場合には特に不便を感じずついつい治療が後回しになってしまう、という場合もあるようですが、抜いたまま放置している期間が長くなると、お口の状態が変化して厄介なことになる可能性があります。
奥歯を失ってそのままにしていると起こりうること
奥歯が抜けたままそのままにしていると、次のようなトラブルが起きてくる可能性があります。
◆歯の位置が変わる
歯は1本ずつ独立しているように見えて、実は周囲の歯とバランスをとって存在しています。そのため、歯が1本なくなると、保たれていたバランスが崩れてしまい、周囲の歯がずれてきて、位置が変わってしまうことがあります。
◆他の歯に異常な力がかかる
奥歯が1本抜けただけでも、そちら側では噛みにくくなります。結果的に反対側でばかり噛むようになり、その状態が長く続くと、そちら側の歯に過剰な負担がかかって歯の寿命を縮めてしまうことがあります。
◆歯並びの見た目に影響が出ることがある
歯が抜けたままにしていると歯の位置がだんだんとずれてきて、歯並びや噛み合わせが悪くなっていきます。また、奥歯で噛めないのを前歯で噛もうとすることで、出っ歯になってくることもあります。
◆虫歯や歯周病のリスクが高まる
歯が抜けて歯が移動し、歯並びが悪くなることで、歯にものが詰まりやすくなったり、歯磨きがしにくくなったりすることで、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
◆あごの骨が痩せる
歯を失うと、その部分の骨はだんだんと痩せていきます。歯を抜いた後に放置している期間が長いと、その部分の骨が減るので、その後インプラントを埋めるのが難しくなることがあります。
◆ほうれい線やシワの原因になる
歯を失い骨が痩せてくると、お口の内側のボリュームが減り、凹んだようになるため、シワやほうれい線が出やすくなり、老けた印象になることがあります。
以上のように、奥歯を失った後の放置はデメリットしかありません。
歯が動いてしまうと、その後にいざ治療をしようとしても、そのままの状態ではブリッジ、インプラント、入れ歯、いずれの治療法を行う場合でも治療が難しくなってしまい、たくさん歯を削らなければならなくなるなど、払う犠牲が大きくなります。
そのため、奥歯がないままそのままになっている、もしくはこれから抜く予定があるという方は、できるだけ奥歯がない状態を放置せず、早めに治療を受けるようにしましょう。