神経を取った歯が痛むのはなぜ?
目次
歯が痛い時に神経の処置をすると痛みがおさまるように、歯の神経を取ると、痛みを感じなくなると思われがちですが、実は歯というのは神経がなくても痛みを感じることがあります。
今回は、神経を取った歯が痛む場合とはどのようなものか、についてご紹介します。
神経を取った歯が痛む場合とは
神経を取った歯が痛みを出す場合として、次のようなケースが挙げられます。
◆神経を取った直後
歯の神経を取った後は、神経を切断した部分が数日痛むことがあり、主に「噛むと痛い」という症状を起こすことがありますが、大抵の場合にはだんだんとそのような症状は消えていきます。
◆根に詰めた薬剤の刺激によるもの
神経を取った後、症状が落ち着いたら根の内部に詰め物をしますが、後に細菌感染が起こらないように固形の薬をきっちりと詰めます。その際、根の先端部分に刺激が加わって数日間痛みを感じることがあります。
◆歯根内部に細菌感染が起こった場合
歯根内部になんらかの原因で細菌感染が起こってしまった場合、細菌が内部で繁殖し、膿をため、歯根先端部分にだんだんと病巣を作っていきます。そうすると、内部で圧が高まり、強い痛みを感じてしまうことがあります。
◆歯並びが悪い人
歯並びが悪いと、歯磨きをしても隅々まで歯ブラシが届かず、磨き残し部分から歯周病が起こりやすくなります。
◆神経が残っている場合
歯の内部の神経は、複雑な形をしていることも多く、どんなに精密な治療をしても、全て取りきれないケースがあります。そのような場合には、残った神経が炎症を起こし、痛みを感じることがあります。
◆歯根の破折
神経を取った歯は、歯に栄養が行かなくなるため、強い力がかかると折れてしまうことがあります。そうするとその部分が炎症を起こして痛みを感じるようになります。
◆歯周病
歯に問題がなくても歯を支える周囲の組織が歯周病によって炎症を起こし、破壊されると、歯に痛みを感じることがあります。
◆噛み合わせの負担がかかりすぎている
治療後に被せた人工物の噛み合わせが高すぎる場合、歯ぎしりや食いしばりをしていて歯に過剰な力がかかっている場合には、歯の周囲にある歯根膜に大きなダメージが加わるため、痛みを感じます。
このように、たとえ神経を取って感覚を感じなくなったと思われても、歯の周囲組織などの感覚はありますので、やはり痛みを出す場合というのはあります。
それぞれの状況によって治療方法は異なりますので、神経を取った歯が痛む場合には、早めに歯科を受診するようにしましょう。