歯ぎしりをしていることを指摘されたら知覚過敏にも注意
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歯ぎしりと知覚過敏は無関係だと思っている人は多いです。
しかし、歯ぎしりによって歯が欠けると知覚過敏を起こしやすくなります。歯ぎしりを予防するためにマウスピースを制作しストレスを溜めないのが大切です。今回は歯ぎしりがなぜ知覚過敏につながるのかと知覚過敏の治療法・歯ぎしりの予防法まで池田歯科が紹介していきます。
歯ぎしりは知覚過敏になる
歯ぎしりとは
一言で歯ぎしりと言っても、実は歯ぎしりのなかにも3つの種類があります。まずはその3種類について解説していきます。
グライディング
グライディングは上下の歯を噛み合わせて状態で擦り合わせる行為のことです。歯が全体的に擦り合わさるので全体的に歯の長さが短くなります。
クレンチング
クレンチングは食いしばりをしている状態です。歯に垂直方向の力がかかるので圧力が過度にかかると歯が欠けてしまうこともあります。
タッピング
タッピングは歯同士をカチカチとかみ合わせることです。クレンチングのように垂直方向に力が加わるだけでなく何度もかみ合わせるので歯がかけやすいです。
注意すべきはグライディング
この歯ぎしりの中で最も注意すべきはグライディングです。
理由は歯が全体的に削れてしまい象牙質が露出する可能性が高いからです。知覚過敏は歯のエナメル質が削れてしまい象牙質が露出すると起きます。クレンチングやタッピングでも歯が欠けてしまうリスクがありますがグライディングに比べればたいしたことはありません。グライディングをしている患者さんの多くは象牙質が露出して知覚過敏を発症しています。
またグライディングをしている患者さんは歯の噛む面だけでなく、歯と歯茎の間に強い負担をかけています。歯は弓のようにたわむことがあり、たわみが強くなるとエナメル質が剥がれ落ちてしまいます。エナメル質が剥がれ落ちただけでも象牙質が露出するので知覚過敏になってしまうのです。
なぜ知覚過敏になる
なぜ象牙質が露出しただけで知覚過敏になるのでしょうか。
象牙質の中には象牙細管と呼ばれる細い管が通っています。象牙細管は歯の神経とエナメル質近くまで通っています。管の形をしているのでこの2か所は繋がっています。
もしグライディングなどの理由でエナメル質が欠けてしまうと象牙細管が口の中に開いてしまいます。この象牙細管内に温度刺激や液体が刺激として侵入すると痛み刺激となり神経を刺激するのです。
知覚過敏の治療法は?
知覚過敏を治療するにはどのような方法があるでしょうか。
薬剤で象牙細管を塞ぐ
知覚過敏の治療に使われる薬剤で有名なものとして「硝酸カリウム」「乳酸アルミニウム」があげられます。乳酸アルミニウムは象牙細管を塞ぐ働きがあり、硝酸カリウムは痛み止めの働きがあります。
レーザーで象牙細管を塞ぐ
乳酸アルミニウムと同じように象牙細管を塞ぐ働きがあります。薬剤はどうしても液体なので知覚過敏で痛みを訴えている人にとって辛い場合があります。そんな患者さんにはレーザーで象牙細管を塞ぐようにします。
欠損があれば修復する
歯ぎしりの中でもグライディングをしていると歯と歯茎の間部分のエナメル質が剥がれ落ちてしまいます。この欠損が原因で知覚過敏が起きている場合はプラスチックの詰め物などで修復をして象牙細管を塞ぎます。欠損範囲が広い場合に適応されます。
神経を抜く
痛みが強く何もできないという患者さんには歯の神経を抜く処置をすることもあります。神経を抜いてしまうと元には戻せないのでどうしても我慢できない痛みや患者さんからの強い希望がなければ行いません。
歯ぎしり予防は何をするか?
知覚過敏の治療法も大切ですが歯ぎしりが起きないように予防するのも大切です。一体どのようにして歯ぎしりを予防すればよいでしょうか。
マウスピースを作る
歯ぎしりは寝ているときに無意識にしています。歯を守るためにもマウスピースを作成して睡眠中の歯ぎしりで歯が傷つかないようにしましょう。マウスピースは市販で販売されているものも多くありますが、オーダーメイドのマウスピースを歯科医院で作ってもらった方がよいです。
ストレスを溜めないように
歯ぎしりをする原因はわかりませんがストレスがかかると歯ぎしりをする人は多いです。ストレスを一定以上溜めないようにしましょう。
リラックスする
ストレスを溜めないようにするのと同じような内容になりますが、リラックスをすると歯ぎしりが起きにくいです。自分の趣味や好きなことを定期的に行いリラックス出来る環境を作りましょう。
まとめ
歯ぎしりをしている人は知覚過敏になるリスクが高くなります。
知覚過敏の治療は歯医者へ行けば受けることができますが、歯ぎしりを予防するのも大切です。歯ぎしり予防にはマウスピースを制作するのが最も効果的です。
知覚過敏は放置しておくと痛みが強くなり耐えられなくなります。知覚過敏の原因を歯科医院で診断してもらいしっかり治療しましょう。