子供の歯列矯正治療
子どもの矯正治療は行う時期によって2つの段階に分かれます
子どもの歯は、乳歯が生え始めてから10年以上かけて、全ての歯が永久歯へと生え変わっていきます。この間に歯並び・かみ合わせに問題が起きた場合、年齢に応じてⅠ期治療とⅡ期治療の2つの段階に分けて矯正治療を進めていきます。
小児矯正の治療の時期
I期治療(6〜12歳前後):子どもの歯が残っている時期
歯並びの土台を整える早期治療
永久歯が生えるあごの環境を整えます
大人の歯が生えそろった段階で健康的で理想的なかみ合わせになるためには、その前の段階で基礎となるあごの骨の状態を整えておく必要があるのです。
●バランスのとれた骨格にできる
成長期に合わせてあごの骨の成長をコントロールできるため、バランスのとれた健康的な骨格に導いていくことができます。
●抜歯矯正の確率を低くできる
歯が生えるあごの大きさと歯の大きさのアンバランスが大きいと、抜歯をして矯正をしなければならなくなることがあります。
I期治療を行なっておくことで、あごの状態をできる限り良い状態に整えておくことができるため、歯並びを整える際に抜歯をせずにすむ確率が高くなります。
●本格的な矯正治療をしなくても済む可能性がある
I期治療を受けておくことで、歯の表面にワイヤーをつける本格的な矯正治療をしなくても済むことがあります。
また、ワイヤー矯正が必要になる場合であっても、治療期間を大幅に短くすることができます。
II期治療(12歳前後〜成人):永久歯が揃ったら
歯をきれいに整える本格矯正
乳歯が全て抜け落ち、永久歯が揃ったら開始するのがⅡ期治療です。歯の一本一本を細かく動かしていき、美しい歯並びとかみ合わせを作り上げていきます。
I期治療を行なっておくことで、骨格が整えられた状態になっていますので、抜歯をせずに歯を並べられる可能性が高くなります。また、治療もスムーズに進みやすいため、治療期間を短くすることができます。
中にはI期治療だけで歯並びもきれいに整い、Ⅱ期治療が必要なくなるケースもあります。
小児矯正の治療の流れ
Step1:初診・カウンセリング
お口の状態を拝見させていただきながら、かみ合わせや歯並びの問題点を確認していきます。また、唇や舌の癖などがないかということも確認し、治療法についてのカウンセリングを行います。大まかな治療費についてもご説明いたします。
Step2:検査
歯の状態の細かいチェック、お口の中やお顔の写真撮影、レントゲン撮影、模型の型取りなどを行い、詳しく検査を行います。
Ste3:診査・診断
検査結果をもとに、お子さんに合った治療開始の時期や大体の治療期間、治療方針、費用などを提案させていただきます。歯の状態によっては虫歯治療を優先する場合もありますし、ブラッシングがよくできていない場合には歯ブラシ指導をしっかりと行なっておきます。
Step4:I期治療開始
お子さんの不正咬合に問題に適した矯正装置を装着し、矯正治療を開始します。1〜2ヶ月ごとくらいに来院していただき、経過観察と調整を繰り返していきます。
歯並びを悪くするような舌や唇の癖がある場合には、口周囲の筋肉のトレーニングを並行して行い、癖を改善していきます。
Step5:経過観察
治療目的が一旦達成できたら、治療を休憩し、永久歯が生えそろうまで経過観察を定期的に行なっていきます。
Step6:必要に応じてⅡ期治療開始
全て永久歯に生え変わった段階で、特に歯並びに問題がなければ、Ⅱ期治療を行う必要はありません。もし歯並びの不正が残っている場合には、ご相談の上Ⅱ期治療を開始していきます。
通院の間隔は1ヶ月に1度程度で、ワイヤー交換や調整などを行なっていきます。