虫歯が急に痛んだら?
自宅ですぐにできる応急措置と歯科医院での虫歯治療法
虫歯の原因
自宅で急に虫歯が痛み出し、すぐに歯科医院へもいけない場合、応急措置としてはどのような対処を行えばよいでしょうか?痛みの種類別に措置の方法や、歯科医院で治療をする場合の虫歯進行度別に治療方法などをご紹介します。
自分でできる虫歯の応急措置
歯科医院を受診するまでにできる応急措置法はあるのでしょうか?痛みを和らげるために自分でできる対処法を5つご紹介します。
冷たいものを避ける
冷たい飲食物を口にした際にジーンとしみるような痛みを感じた場合、しばらく継続して痛みを感じるようになることもあります。虫歯で歯質が薄くなり、さらに神経に近い場合や、すでに神経まで到達し炎症を起こしている場合、ドクンドクンと脈を打つ継続的な強い痛みも感じはじめます。
冷たいもので歯が痛む場合は、アイスクリームや氷の入った冷たいジュースなどを口にすることは、控えましょう。
熱いものを避ける
虫歯を放置していると熱い飲食物で歯がしみて、痛みを感じるようになってきます。冷たいもので痛みを感じていた時期はまだ、神経が侵され始めたころの症状。熱いものがしみる時期は神経の炎症が進行した末期症状と言われ、逆に冷たい水などを口に含むと痛みが和らぐようになります。熱いお茶やコーヒー、鍋などは痛みを助長してしまうため、歯科医院を受診できるまでは控えておくほうがベターです。
鎮痛剤を飲む
市販されている鎮痛剤を飲んで痛みを凌ぐ方法もあります。最近では、歯科医院で処方される痛み止め「ロキソニン」に近い効果が期待できる鎮痛剤である、「ロキソニンS」や、昔から歯痛止めとしても周知されている「バファリン」、「イブ」。
また、液体カプセル「リングルアイビー」などは、液体のため効果が早いといわれるお薬です。これらは飲んで20~30分ほどで効果が表れ、5時間前後は効果が継続するといわれています。
他にも、においの強い市販の整腸薬を虫歯の穴に直接詰める方法もネット上でみられることがあります。ただし、薬自体には鎮痛効果のある成分が含まれていたとしてもこの方法はあまりお勧めはできません。
患部を冷やす
虫歯の痛みは、歯の神経である「歯髄」の中を通る血流が増え、神経を圧迫することで起こります。アイスノンや氷嚢(のう)、冷えピタ、保冷剤、または冷やしたタオル等で頬から患部付近を間接的に冷やすことでも痛みを和らげることにつながります。
ただし、冷たさを感じると痛みを伴う時期の虫歯であれば、冷やすことで痛みを助長させることもありますから、痛みの状況に合わせた応急措置をおこなうようにしてくださいね。
口の中を洗浄する
どうしても痛みが治まらない場合、食べかすなどが患部に詰まって神経を圧迫しているかもしれません。まずは、口の中を常温の水でゆすいでみてください。
爪楊枝やデンタルフロスで詰まりを取っても構いませんが、患部に詰まっている部分を必要以上に強く刺激することは避けましょう。歯の質が虫歯によって溶け、神経に近くなっている分、刺激し過ぎることによって神経を触ってしまうと、余計に痛みが悪化する恐れもあります。
虫歯の応急措置でやってはいけないNG行動
虫歯の痛みを緩和するための措置はあくまでもその場凌ぎにすぎません。応急措置でやってはいけないNG行動を念頭においてケアをしないと、虫歯の症状自体の悪化を招くこともありますので注意が必要です。
虫歯を放置しないで!
痛み緩和のためのケアをおこない痛みが治まると、一時的に治ったような感覚で日常生活を送ってしまいがちですが、根本的な「虫歯」は治ったわけではありませんし、痛みの緩和措置はあくまでも応急措置である、ということを理解しておこなうようにしましょう。そして、できるだけ早く歯科医院を受診するようにしてくださいね。根本的原因である「虫歯の治療」が、一番の痛み改善方法にほかならないなのですから。
患部には触らない
歯が痛いからと気になって、患部あたりを押したり爪楊枝などで触ったりするのは止めましょう。痛みの緩和のために詰まった食べかすなどを取る場合は、できるだけやさしく触れ、中を強くいじったりしないことです。また、直に指で触ると患部に細菌が侵入し、炎症を助長。痛みだけでなく虫歯の症状の悪化にもつながりかねません。舌先で触るのも控えるようにしましょう。
煙草・お酒などの嗜好品を控える
痛みの原因として、歯髄の中の血流が神経を圧迫することをお話しました。喫煙や飲酒などはリラックス効果などから痛みを緩和できるのでは?と考えがちですが、体温を上げる作用が働くため、血流を促進して痛みを助長する要素になる恐れがあります。また、歯を刺激するような成分も入っていたり、痛み止めを飲むと副作用が起こる可能性も考えられるため、絶対に控えてくださいね。
体を温めるのも逆効果
飲酒と同様に、体が温まることで血流が良くなり、痛みを助長することも考えられますので。熱いお風呂に長時間浸かるのはNGです。シャワーを短時間で終わらせるようにしてください。
また、激しい運動も血行促進につながるので控えておいた方がベターです。
歯医者で行われる虫歯の応急措置とは?
痛みを我慢できない程の虫歯となれば、虫歯の進行度合いとしてはかなり進行している場合が多く、歯科医院でも1回で治療を終えられることはありません。歯科医院でおこなわれる応急措置と、虫歯の進行度合いに合わせてどのような治療が行われるかも併せてご紹介します。
虫歯の進行度について
虫歯はその進行度合いによって4段階に分けられます。進行度によって、侵されている組織が異なるため治療方法も異なります。痛みを感じるようになるのはC2以降で、深さによって痛み方も違うので、痛みは進行度合いの参考にもなります。
歯科医院でおこなわれる痛む虫歯の応急措置とは
虫歯に痛みがある場合、虫歯の進行がかなり進み、歯の中央にある神経(歯髄)にかなり近い、もしくは神経に到達していることが考えられます。明らかに神経が損傷している場合を除いては、虫歯に侵された組織を取り除いて、神経に刺激が届かないように薬剤を置いて仮埋めして様子を見ることもあります。
虫歯の進行
C0:歯の表層「エナメル質」の構造変化により表面が脱灰した状態
歯の表面のエナメル質からミネラル分が奪われ、表面が脱灰しているため、フッ素塗布をおこないミネラル成分を補うことで歯質の再石灰化を促進させます。
C1:エナメル質が修復されず進行し小さな穴が開いた状態
フッ素等の効果で自然治癒が難しくなった段階です。小さな虫歯の穴になっている部分を削って詰め物をします。
C2:虫歯が象牙質まで進行した場合
虫歯が象牙質に達すると、麻酔をして虫歯を削る治療をおこないます。最近では患者様の痛みを軽減する治療法が開発されています。事前に虫歯を薬剤で柔らかくしたあと、その部分だけ除去する方法や、神経付近まで達した虫歯の原因菌を殺菌し、あまり削らないでおこなう治療などもおこなわれています。
C3:虫歯が神経まで達した場合
神経が侵され、放置していると膿が溜まったり激痛を伴うため、神経を抜いて歯の根っこの中を洗浄する治療をおこないます。
C4:歯の原型が無く根だけになってしまった状態
ここまで進行してしまっては歯の保存ができませんので、抜歯の対象です。抜歯窩(か)が綺麗になったら、差し歯や入れ歯、ブリッジ、インプラントなどで修復します。
まとめ
虫歯の痛みは、我慢していると仕事や勉強に集中できず日常生活に支障をきたすほど厄介です。虫歯の痛みそのものを治療しないと根本的に改善には至りませんが、忙しくてすぐに通院ができない、痛み出したのが夜中といったように、速やかに治療を受けられない場合には一旦応急措置をおこない様子をみて、できるだけ早く歯科医院を受診することをおすすめします。
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